2017年度コスパ最強SIMフリースマホ「HUAWEI P10 lite」の実機レビュー
2024-03-09
今回、2017年6月に発売されたSIMフリースマホ「HUAWEI P10 lite」を購入しました。海外での現地SIMの利用や国内での格安SIMの利用による通信費節約にフル活用となりそうです。
同じくHUAWEIから販売されている"コスパ最強SIMフリースマホ"として人気の「HUAWEI nova lite」との比較や、P10 liteを実際に使ってみて感じた点などについてレビューしたいと思います。
2017年コスパ最強スマホ「HUAWEI P10 lite」
最近では、格安スマホと呼ばれる2~3万円台から購入できるSIMフリーのスマートフォンが価格の割に高性能なことから人気が高まってきています。
docomoやSoftBankなどの大手キャリアのSIMはもちろん、格安SIMと呼ばれる楽天モバイルやUQ mobileなどのSIMも使うことができるので、月々の通信料金を安く抑えるために利用する人が増えてきています。
今回購入した「HUAWEI P10 lite」は、オクタコアCPU・3GBメモリ(RAM)・内臓ストレージ32GB・バッテリー容量3000mAhと通常使用において十分なスペックを備えていながら2万円台で買えることから、高コスパなSIMフリースマホとして注目されている機種です。
少し前の2017年2月に発売された「HUAWEI nova lite」も、2万円前後で買えるSIMフリースマホのなかではトップレベルのスペックを誇る人気機種となっていますが、このP10 liteはその性能をさらに高めつつ価格は抑えた高コスパな仕様となっています。
HUAWEI P10 lite | HUAWEI nova lite | |
OS | Android7.0 / Emotion UI 5.1 | Android7.0 / Emotion UI 5.0 |
画面サイズ | 5.2インチ | 5.2インチ |
解像度 | 1920×1080 | 1920×1080 |
CPU | オクタコア Kirin658 (2.1GHzx4+1.7GHzx4) | オクタコア Kirin655 (2.1GHzx4+1.7GHzx4) |
内蔵メモリ | RAM 3GB / ROM32GB | RAM 3GB / ROM16GB |
外部メモリ | microSDXCカード (最大128GB) | microSDXCカード (最大128GB) |
カメラ | 背面1200万画素(F値2.2) / 前面800万画素(F値2.0) | 背面1200万画素(F値2.2) / 前面800万画素(F値2.0) |
通信速度 | 下り最大262.5Mbps(LTE) / 上り最大50Mbps(LTE) | 下り最大150Mbps(LTE) / 上り最大50Mbps(LTE) |
通信方式 | FDD-LTE: B1/3/5/7/8/18/19/26 (au VoLTE対応予定) TDD-LTE: B41 W-CDMA: B1/5/6/8/19 GSM: 850/900/1800/1900MHz |
FDD-LTE: B1/3/5/7/8/19/28 TDD-LTE: B40 W-CDMA: B1/5/6/8/19 GSM: 850/900/1800/1900MHz |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac (2.4/5.0GHz) | 802.11b/g/n (2.4GHz) |
Bluetooth | v4.1 LE | v4.1 with BLE |
テザリング | 最大接続台数:8台 | 最大接続台数:8台 |
SIMスロット | nano SIM x 2 | nano SIM x 2 |
GPS方式 | GPS/AGPS/Glonass | GPS/AGPS/Glonass/Beidou |
センサー | 加速度/ジャイロ/コンパス/環境光/近接 | 加速度/コンパス/環境光/近接 |
指紋認証 | あり(背面) | あり(背面) |
バッテリー | 3000mAh 9V/2A急速充電対応 | 3000mAh |
連続待受時間 | LTE:約532時間 / WCDMA:約564時間 / GSM:約575時間 | LTE:約531時間 / WCDMA:約670時間/GSM:約524時間 |
本体サイズ | 146.5 x 72 x 7.2mm | 147.2 x 72.94 x 7.6mm |
本体重量 | 146グラム | 147グラム |
本体カラー | サファイアブルー / パールホワイト / ミッドナイトブラック / プラチナゴールド / サクラピンク(UQモバイル専用) | ホワイト / ブラック / ゴールド |
上記の一覧表からもわかるように、P10 liteとnova liteはよく似たスペックとなっており、外観も5.2インチディスプレイや両面2.5Dガラス仕様など良く似た仕様となっています。
しかし、後発のP10 liteのほうが32GBの内臓ストレージやジャイロスコープの搭載、802.11ac(5GHz帯)Wi-Fi接続への対応や2A急速充電器が標準で付属されているなど、いくつかの点でnova liteよりも性能が向上しています。
なのに価格差は販売店にもよりますが4~5千円ほどに抑えられているため、発売以来人気が続いていたnova liteと同じくP10 liteも発売早々高い人気となっています。
例えばNTTコムストアではOCNモバイルONEのSIMカードとセットで税込で2万5千円台でP10 liteが販売されており、nova liteの同SIMセット(税込約2万1千円)と同じく人気商品となっています。
「HUAWEI P10 lite」の開封と実機レビュー
P10 liteのパッケージと同梱品
P10 liteは上記のようなパッケージに入って届きました。
パッケージ内には大小2つの内箱に挟まれるようにしてスマホ本体が収められており、スマホ本体の保護を考つつ必要最小限のサイズにうまく抑えられているなという印象です。
パッケージ内にはスマホ本体の他に、P10 lite専用クリアケース、ACアダプター(2A急速充電)、USBケーブル、イヤホンマイク、クイックスタートガイドが同梱されています。
ACアダプターは出力が5V2A/9V2Aの急速充電対応品となっていて、急いで充電したい時などには重宝しそうです。
他のHUAWEI製品に同梱されている出力5V1Aの一般的なACアダプターと比べると大きめのサイズとなっています。
P10 liteの外観
今回購入した本体カラーはミッドナイトブラックです。サファイアブルーもなかなか魅力的だったのですが、ミッドナイトブラックだと画面消灯時にディスプレイ面全体が一枚鏡のように見えてきれいなのでこちらを選びました。
クリア色以外の保護ケースを装着する場合にはディスプレイ面以外はケースで覆われてしまい見えなくなってしまいますしね。
本体背面には英語の説明文が記載された保護シールが貼られています。使用時には簡単にキレイに取ることができます。
本体背面は指紋認証センサー部分がくぼんでいる以外はカメラ部分も含めてフラットになっています。
ちなみにP10 liteはnova liteと同じくディスプレイ面と背面が2.5Dガラス仕様となっていますが、P10 liteは7H硬質ガラスで傷がつきにくくなっています。
また、通常のガラスと比べて表面がツルツルしていて指の滑りがスムーズで指紋も付きにくくなっています。
個人的な印象ですが、日本製の9H硬質ガラス保護フィルムを貼ったスマホと比べてもP10 liteのほうが表面がツルツルして指紋が見えにくいように感じます。
本体右側面には音量ボタンと電源ボタンがあります。
本体左側面の上部にはSIMカードを装着するトレーの収納部があります。
本体上部には3.5mmイヤホンジャックが用意されており、スリムな本体サイズながらも通常のヘッドフォンを接続することができます。
本体下部の中央にはUSBケーブルを接続するためのMicro-Bポートがあり、その両脇にはマイクとスピーカー用の穴があります。
残念ながら最新規格のUSB Type-Cポートではありませんが、急速充電対応となっていますし、本体価格を考えれば妥協できる点かと思います
Micro-B端子だとリバーシブル仕様のUSB Type-Cと違って上下向きを確認して差し込む手間がありますが、その場合は以下の記事で紹介しているマグネットUSB端子を使うことで手間が解消できて使い勝手が向上します。
数百円程度から購入でき、気軽に試すことができるのもお勧めできる点です。
本体左側面のSIMスロットには、nanoSIMカード2枚か、nanoSIMカードとMicroSDカードを1枚ずつ装着することできます。
nanoSIMカードを2枚装着できますが、ひとつは日本では使われていない2Gと呼ばれるGSM通信方式のみ対応のスロットになっているため、DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)には対応していません。
ですので、日本国内ではnanoSIMカードとMicroSDカードを1枚ずつ装着という使い方になるかと思います。
P10 liteの初期設定
電源を入れると最初にHUAWEIのロゴ画面が表示されます。
しばらくすると言語の選択画面が表示されるので日本語を選択し、次へをタップします。
SIMカード挿入案内の画面が出ますが、後からでも設定ができるので今はスキップします。
利用規約の案内画面が表示されますので、詳細表示をタップして利用規約の内容を確認後、同意するを選択します。
Wi-Fi+サービスと天気予報サービスの利用について設定できます。
Wi-Fi+サービスは、Wi-Fiとモバイルデータ通信とのシームレスな切り替えやWi-Fi機能を自動的にオンオフする機能です。天気予報サービスは、プリインストールされている天気アプリ使用時の位置情報と端末権限の利用に関する同意になります。
どちらの機能も後から利用や権限の同意について再設定することができますので、お好きなほうを選んで次へをタップします。
Wi-Fiの接続先を設定できます。後から設定を変更することができます。
Googleサービスやアカウントについて設定します。この設定も後から変更することができますので、今回はスキップして次へ進みます。
その後の画面ロック設定もスキップすると、本体セットアップ内容の選択表示されます。アプリとデータを保持を選ぶと専用アプリを使って別のスマホからデータを移行することができるようです。
今回は新規に利用するので「新規としてセットアップ」を選択し、新しい端末に設定しますか?ではOKをタップします。
指紋センサーにタッチすることでできる操作についての案内画面です。
指紋を登録して指紋認証を有効にすることができます。後で設定することができますので今回はスキップします。
初期設定項目がすべて終わると上記のEMUI開始画面が表示されます。はじめるをタップするとホーム画面が表示され、利用開始となります。
アプリのアイコンはシンプルでわかりやすいデザインとなっています。
実際に使用してみて感じた点
P10 liteを購入してから2週間ほど実際に使用してみて感じた良い点や気になる点について紹介します。
プリインストールアプリの数は必要最小限ですっきり
初期状態で入っているプリインストールアプリの数はあまり多くなく、HUAWEI純正とGoogle系アプリが中心で必要最小限という感じです。
アンインストールできない余計なアプリがたくさん入っているよりは個人的に好感が持てます。
オクタコアCPUと3GBのRAMで動作がサクサク
2.1GHzx4+1.7GHzx4のオクタコアCPUはもたつき感もなく快適に動作します。webサイトの閲覧や一般的なゲームアプリの利用では発熱やバッテリー消費量はほとんど気にならないレベルです。
また、RAMも3GBあるので2GBの機種のようにメモリ使用量を気にしないで使えるのもうれしいです。
webサイトの閲覧やSNSの利用、動画視聴程度なら全く問題なく快適に使えますし、ポケモンGOやパズドラ、星ドラやツムツムなどの一般的なゲームアプリもサクサク動きます。
ただし、P10 liteに搭載されているKirinというCPUは3Dゲームアプリにはあまり強くないようですので、3Dゲームアプリの利用を考えている場合には注意が必要かもしれません。
32GBの内部ストレージで容量に余裕あり
内部ストレージ容量が32GBあるので、ゲームアプリなど容量の大きなアプリを複数インストールしても大丈夫です。
また、最大128GBのmicroSDカードが利用できるので、音楽や動画ファイルもたくさん保存することができます。
指紋認証が速くて快適
背面にある指紋認証センサーは軽く触れた瞬間に認証が完了します。これに慣れると他の機種を使う際にパスワードを入力してロック解除するのがとても面倒に感じてしまうほど便利で快適です。
ナックルジェスチャー機能が使える
ナックルジェスチャー機能とは指関節を使った操作方法で、例えば指関節で画面を軽く2回ノックすることでスクリーンショットを簡単に撮ることができます。また、画面上に横線を引くことで画面分割機能を使うことができます。
調べものをした時に閲覧したwebサイトの内容をスクリーンショットでメモ的に保存することが多いので、個人的にはこの機能は結構ありがたいです。
高画質カメラや5GHz帯対応Wi-Fiなど基本性能も充実
メインカメラは1200万画素と高画質でフォーカス速度も速いので、きれいな写真を気軽に撮ることができます。
Wi-Fiも802.11ac(5GHz帯)接続対応なので、家庭内でのインターネット接続も高速で快適です。
また、海外メーカーのSIMフリースマホということもあって幅広い通信バンドに対応しています。
日本国内のバンドに対応しているのはもちろん、海外でも広い範囲で安定して利用できることから、仕事や旅行で海外へ行く機会が多い方には特におすすめの機種です。
注意すべき点
ここまで紹介したように、P10 liteは高機能で高コスパな機種ですが、もちろん注意すべき点もあります。
ワンセグやおサイフケータイには非対応
これは海外メーカーの格安スマホ全体に共通することなのですが、ワンセグやおサイフケータイなどの日本独自の便利機能には非対応となっています。
日本国内でメインスマホとしての利用を考えている方はこの点に注意が必要かもしれません。
2.5Dガラスは保護フィルムが貼りにくい
2.5Dガラスのおかげで外観の高級感と持ちやすさが実現されているのですが、縁部分がラウンド加工されているため保護フィルムが貼りにくく、製品によっては周辺部分が浮いて見苦しい仕上がりになることもあるようです。
多くの製品は浮き上がりを防止するために保護フィルムが画面サイズよりも小さく作られているため、きれいに貼れても保護フィルムの縁の境目が画面上にあるため気になるようです。
幸いP10 liteは7h硬度ガラス仕様になっているため保護フィルムを貼らなくてもある程度の安心感はありますが、保護フィルムを貼らないとどうしても心配という方は注意が必要です。
まとめ
P10 liteは高性能ながら2万円台で購入できる高コスパスマホとして、おそらく2017年発売のSIMフリースマホを代表する機種になるのではないかと思います。
発売してからまだ日が浅いため、保護フィルムやケースなどの対応品はまだ少ないですが、P10 liteは日本だけでなく世界各地で販売されている機種ですので今後は徐々にラインナップが増えてくるでしょう。
P10 liteは低価格ながら高い基本スペックを備えているため、海外SIMや国内格安SIM用として使い勝手の良いSIMフリースマホです。また、初めてSIMフリースマホの購入を考えている方にも導入しやすくてお勧めな機種だと思います。