中国で使えなくなったyahoo検索をアプリひとつで超簡単に使えるようにする方法

2024-03-09

2017年9月以降、中国国内ではyahoo検索がアクセス不可となって使用できなくなっています。当時ニュースやネット上で結構話題となっていたので、中国に行く機会のない方でもご存知の方は多いかと思います。

現在でもyahoo検索が使えない状況は続いており、中国を旅行する人はもちろん、留学や現地駐在などで中国に住んでいる日本人にとってかなり不便な状況となっています。

そこで今回は、2018年10月3日にリリースされた無料で使えるGoogleの新アプリ「Intra」を使って中国国内でいつでも簡単手軽にYahoo検索を使えるようにする方法をご紹介します。

ネット検閲から通信を保護するアプリ「Intra」

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中国では以前からGoogleサービス全般が使えないなどインターネット環境が特殊な状況ではありましたが、日本人がインターネットで検索する際に一番利用するyahoo検索が使えなくなったことで更に不便になりました。

今のところYahoo!JAPANのサイト自体はまだアクセスできる状態なので、中国でも日本のニュースを見ることはできますが、例えばYahooアプリでニュースを見ながらちょっと検索したいときに同じページにあるYahoo検索が使えない不便さは結構ストレスを感じます。

goo検索やMicrosoftのbing日本版などの中国でも使える日本の検索サイトはあるものの、検索結果が微妙だったりなぜか検索結果が表示されるまで時間がかかったりと、使い勝手があまりよくないです。

VPNを使えば日本国内にいるときと同じように多くのサイトを閲覧することができるのですが、VPN接続中の通信速度が遅かったり、ときどき(時間帯によっては高頻度で)VPN接続が切れたりつながらなくて使えない時があったりするなど、中国ではVPN接続は不安定なことが多いため「Yahoo検索を使いたいときにVPNをちょっと使う」という使い方にはあまり向いていないのが現状です。

今回ご紹介するGoogleの新しいアプリ「Intra」は、インストールして接続ONにするだけでいつでも自由にYahoo検索が使えるようになるというとても便利なアプリです。

このIntraというアプリはgoogleのグループ会社であるJigsawが開発したもので、GooglePlayから無料でダウンロードして使うことができます。

ちなみにこのJigsawという会社は、元はGoogleのシンクタンクだったGoogle Ideasから名称を変更して設立された会社です。ですので他のGoogle謹製アプリと同じように気軽に利用できるアプリと言えると思います。

Intraの仕組みと使い方

Googleアプリ「Intra」

Googleアプリ「Intra」

このIntraというアプリは、国家や組織がおこなうネット検閲の方法のひとつであるDNS操作に対抗するべく、DNS接続を暗号化させて保護するという仕組みになっています。

最近ではSSL暗号化方式を使って保護された通信を採用しているhttps://で始まるサイトが標準化されつつありますが、Intraはこのhttpsという仕組みを応用した「DNS over HTTPS(DoH)」という技術を使ってDNS接続を暗号化して保護しています。

これによって、恐らくDNS操作によって使用できなくなっているであろうYahoo検索を中国でも使うことができるようになるわけです。

Intraのダウンロード&設定方法

Intraの使い方はとても簡単です。Android搭載スマホやタブレットからGooglePlayにアクセスしてアプリをダウンロードし、初回に一度だけDNSサーバー接続先を選択してから接続をONにするだけです。

GooglePlayからIntraをダウンロード

GooglePlayからIntraをダウンロード

まず、GooglePlayでIntraを検索してアプリをダウンロードします。アプリサイズは5.5MBと小さめなので、容量を気にせずダウンロードできます。

初回説明画面01

初回説明画面

初回説明画面02

初回説明画面

次に、アプリを起動させると初回説明画面が表示されるので「次へ」をタップして進め、最後に「同意」をします。

接続リクエスト画面

接続リクエスト画面

初回起動時の接続要求画面が表示されるので「OK」をタップします。

接続保護開始画面

接続保護開始画面

「起動しています...」という赤い画面が表示された後、青色の「保護」画面に変わります。

接続失敗の警告文表記

接続失敗の警告文表記

通常は以上で接続完了なのですが、中国国内で使用する際には初期設定されている接続先サーバーのdns.google.comに接続することができないため、上記のような警告表記が出ます

接続先サーバーの設定画面

接続先サーバーの設定画面

そこで接続先サーバーを変更するため、画面の左端を中央に向けてスワイプしてメニュー画面を表示させて「設定」を選択し、設定項目を開きます。

接続先サーバーの変更

接続先サーバーの変更

「DNS over HTTPSサーバーの選択」をタップして選択画面を開き、サーバーをcloudflare-dns.comに変更します。
サーバー名が「現在:cloudflare-dns.com」と表示されているのを確認したら、画面左上の矢印でメイン画面に戻ります。

接続成功のメイン画

接続成功のメイン画面

メイン画面に「接続はDNS攻撃から保護されています」の表記があることが確認できれば、あとは右上のON-OFFボタンをタップして一度オフにし、再度タップしてオンにすれば接続作業は完了です。

ブラウザのYahoo!JAPANサイトやYahooアプリの検索ボックスから検索ができれば成功です。

Intraはストレスなく使えてとても便利

Intraのインストールサイズは約5.5MBと小さく、初回設定時のVPN接続の同意以外にアプリからリクエストされる権限もありません。また、使用時の消費電力も手持ちのスマホでの確認では1時間あたり数mAhと気にしなくて良いレベルですので、気軽に使用できるアプリなのではないでしょうか。

ただ、通信内容を暗号化してIPアドレスを秘匿変更することができるVPNとは違い、Googleサービス全般やFacebook、LINEやAmazonなどアクセスが遮断されているサイトを閲覧することは今のところできないようです。

ですので、上記サイトを中国で利用する際には別記事で紹介しているVPNGateのような無料VPNを設定して使うか、セカイVPNなどの有料VPNを契約して使うかする必要があります。

ちなみにこのアプリが採用しているDNS over HTTPSという技術は2018年10月現在で最新版Androidの「Android 9 Pie」にも実装されているほか、パソコン版Firefoxブラウザの隠し機能にも採用されているそうです。

まだ実用化されたばかりの新しい技術ですので、今後更に閲覧できるサイトが増加することを期待したいですね。

あと、このIntraは現在のところまだGooglePlayにしかリリースされていないため、iOS搭載機器での利用はもうしばらく待つ必要がありそうです。

以上、Googleの無料で使える新アプリ「Intra」を使って中国国内でいつでも簡単手軽にYahoo検索を使えるようにする方法のご紹介でした。