AndroidスマホからiPhoneへ機種変更する際にLINEの全トーク履歴を引き継ぐ方法

2024-03-09

つい10年前ほど前は「あなたはガラケー派orスマホ派?」といったニュース記事をよく見かけましたが、現在では電話やネットはもちろん実店舗での決済手段としても使えるスマートフォンのほうが普及している状況にあります。

そんな便利なスマートフォンですが、新しく買い替える際にアプリや写真データなどを旧機種から新機種へと移行させる手間は変わらず発生してしまいます。

とくにAndroidスマホからiPhoneへの変更またはその逆の場合はLINEなど特定のアプリの引き継ぎに関する問題が発生するなど面倒な点が多いです。

そこで今回はそんな問題点のひとつである、AndroidスマホからiPhoneへ機種変更する際に発生する「LINEのトーク履歴の移行制限」の解決方法について紹介したいと思います。

異なるOS間ではLINEトーク履歴の移行に制限がある

異なるOS間でのLINEアカウント移行

異なるOS間でのLINEアカウント移行(出典:LINE

2024年2月現在、AndroidスマホからiPhoneへLINEアカウントを引き継ぐ際には15日以上前のトーク履歴を引き継ぐことができない仕様となっています。

Androidスマホ同士やiPhone同士でのLINEアカウント引き継ぎであれば、それぞれGoogleドライブやiCloudにバックアップすることで15日以上前のトーク履歴を含めたすべてのトーク履歴を引き継ぐことができるようになっています。

しかし、異なるOS間ではこのバックアップ手順が使えないため、アカウント引き継ぎで一緒に移行することができる直近14日間のトーク履歴しか引き継ぐことができません

スマホを買い替える際にAndroidスマホからiPhoneへの買い替えを考えたことのある方は少なくないと思いますが、その際に大きな障壁となるのがこのLINEのような「アプリデータの引き継ぎ問題」ではないかと思います。

ですが今回ご紹介するiPhoneデータマネージャー「AnyTrans」を使うことで、AndroidスマホからiPhoneへLINEアカウントを引き継ぐ際の制限を解決してすべてのトーク履歴を引き継ぐことができるようになります。

今回の作業をおこなうにあたりiMobie社様よりAnyTrans製品版ライセンスをご提供いただきました。ここに感謝申し上げます。

AnyTransを使ってトーク履歴を引き継ぐ

iPhoneデータマネージャー「AnyTrans」

iPhoneデータマネージャー「AnyTrans」

今回使用するiMobie社の「AnyTrans」は、iPhoneのバックアップやデータ転送を手軽で簡単に扱うことができる総合管理ソフトウェアです。

このAnyTransを使用することで、公式のLINEアカウントの引き継ぎではまだサポートされていない「異なるOS間での15日以上前のトーク履歴の引き継ぎ」を実現することができるようになります

引継ぎの仕組みのイメージとしては、「異なるOS間では使用できないGoogleドライブやiCloudに代わってAnyTransがトーク履歴のバックアップ&移行をおこなう」という感じです。

このほかにもAnyTransにはiPhoneの写真や動画などデータを簡単にコピーやバックアップする機能やiPhone上のアプリを手軽に管理する機能があるなど、AnyTransを使うことでiTunesのみでiPhoneを管理するよりもさらに便利に管理することができます。

トーク履歴を引き継ぐ際の流れ

今回紹介するAnyTransを使ったトーク履歴の引き継き方法の基本的な手順は以下のようになります。

手順① AndroidスマホにてLINEトーク履歴のバックアップをおこなう(LINE公式機能)
   ↓
手順② LINEの公式機能「QRコードでのアカウント引き継ぎ」を使用してAndroidスマホからiPhoneへアカウントの引き継ぎをおこなう(LINE公式機能)
   ↓
手順③ AnyTransを使ってAndroidスマホからiPhoneへ全トーク履歴データの引き継ぎをおこなう(AnyTransの機能)

以上の手順について順に説明していきます。

手順① LINEトーク履歴のバックアップ

まず最初に、これまで使用していたAndroidスマホにてLINEのトーク履歴のバックアップ作業をおこないます。

すでに自動バックアップを設定している方も最新のトーク履歴が保存されているかデータの日付を確認しておきましょう。

LINEトーク履歴のバックアップ方法については以下のLINE公式サイトにて詳しい手順が紹介されていますのでご参照ください。

アカウントの引き継ぎ完了後にはAndroidスマホでのLINEアプリの操作ができなくなりますので、手順①のトーク履歴のバックアップ作業は必ずアカウントの引継ぎをする前に完了しておいてください

手順② QRコードでLINEアカウントを引き継ぐ

つぎに、LINE公式のQRコードを使ったアカウントの引き継ぎ作業をおこないAndroidスマホからiPhoneへLINEアカウントを移行させます。

LINEアカウントの引き継ぎに関する詳しい手順は上記のLINE公式動画や以下のLINE公式サイトにて詳しい手順が紹介されていますのでご参照ください。

※注意点

今回のような異なるOS間でのアカウント移行ではこの手順②ではトーク履歴を復元できないので、「トーク履歴を復元」の選択画面では「トーク履歴を復元せずに続行」を選択してください

上記手順①・②が完了すると、Androidスマホ側のLINEではアカウントがすでにない状態になり、iPhone側のLINEはアカウントが引き継がれているけれど15日以上前のトーク履歴がまだ復元できてない状態になっていると思います。

ここまでがLINEの公式方法によるアカウント引継ぎ手順になります。

つぎはいよいよ今回の本題であるAnyTransを使用してAndroidスマホからiPhoneへLINEトーク履歴を引き継ぐ作業に移ります。

手順③ AnyTransを使用して全トーク履歴を引き継ぐ

AnyTransの無料版と製品版

AnyTransの無料版と製品版(出典:AnyTrans

AnyTransには無料版と製品版がありますが、今回利用するLINEのトーク履歴を引き継ぐ機能は2023年10月現在製品版でしか使用できない機能となっています。

製品版には年間ライセンス版や永久ライセンス版などがあり、公式サイトでは時折期間限定で割引購入ができるキャンペーンも開催されています。

今回の作業ではiMobie社様よりご提供いただいたAnyTrans製品版のライセンスを使用するため、最初にAnyTrans無料版をインストールした後にライセンスを登録して製品版にアップグレードしていきます。

公式サイトからAnyTrans製品版のライセンスを購入した際にも以下と同様の手順での作業になるかと思います。

1. AnyTransをインストールする

AnyTrans公式サイト

AnyTrans公式サイト(出典:AnyTrans

まず最初にAnyTransを公式サイトから無料ダウンロードしてパソコンにインストールします。

AnyTransのインストール

AnyTransのインストール

公式サイトよりインストール用セットアップファイルをダウンロードしたら、ファイルを起動してインストールを開始します。

言語選択画面

言語選択画面

インストール完了後に上記の言語設定画面が表示されますので、日本語を選択して設定をクリックします。

Windowsのセキュリティ警告画面

Windowsのセキュリティ警告画面

AnyTransの起動後にWindowsのセキュリティ機能により上記のようなセキュリティの警告画面が表示される場合があります。ご自身のネットワーク環境に合わせて適宜設定してください。

また、追加コンポーネントのインストール案内画面が表示される場合もあるようですので、表示された場合には指示に従いインストールしてください。

iTunesインストールの案内画面

iTunesインストールの案内画面

パソコンにiTunesがインストールされていない場合はAnyTrans起動時に上記案内が表示されるようです。

iTunesがインストールされていなくてもAnyTransは使用できるとの情報もあったのですが、私のパソコン環境ではiTunesがインストールされていないとAnyTransがiPhoneの接続を認識してくれず、iTunesをインストールしたらAnyTransがiPhoneを認識できるようになりました。

Windows自体はiTunesのインストール前にもiPhoneの接続を認識してエクスプローラに表示できていましたので、おそらくiTunesかそれに付随してインストールされるBonjour等のソフトウェアがインストールされていないとAnyTransがiPhoneの接続を認識してくれないのだと推察しています

もしAnyTrans起動後にiPhoneを接続しても認識してくれない場合はiTunesや付随ソフトのインストールを試してみてください。

2. AnyTransを製品版へアップグレードする

AnyTrans製品版へのアップグレード

AnyTrans製品版へのアップグレード

無事にAnyTransが起動できたら、つきば購入した製品版アカウントを使用して製品版へのアップグレードをおこないます。

画面上部にある「今すぐ購入」か「認証」をクリックして認証と購入の案内画面を表示させます。

「今すぐ認証」をクリックするとアカウントの認証画面が表示されるので、そこに購入した製品版のアカウントと認証コードを入力してから認証ボタンをクリックします。

ライセンス認証完了画面

ライセンス認証完了画面

上記のようにライセンス認証完了と表示されれば製品版へのアップグレードは完了となります。

また、先ほどまであった画面上部の「今すぐ購入」や「認証」の表示がなくなり「お問い合わせ」の表示へと変更されます。

以上でAnyTransを使用するための準備が完了となります。

AndroidスマホからiPhoneへLINEの全トーク履歴を引き継ぐ

img src="https://tarelife.com/wp-content/uploads/2023/07/anytrans-010-580x361.jpg" alt="ソーシャルメッセージ管理画面" width="580" height="361" class="size-large wp-image-1667" /> ソーシャルメッセージ管理画面

AndroidスマホからiPhoneへLINEの全トーク履歴を引き継ぐには、画面左側の「ソーシャルアプリのデータ移行」を選択してソーシャルメッセージ管理画面を開き、「LINE」タブをクリックしてから「LINEをデバイスへ」ところにある「今すぐ転送」をクリックします。

トーク履歴の転送開始画面

トーク履歴の転送開始画面

上記の「iPhone/AndroidからiPhoneにLINEのトーク履歴を転送する」画面が表示されたら、AndroidスマホとiPhoneをそれぞれパソコンに接続していきます。

USBケーブルを使用してパソコンとAndroidスマホおよびiPhoneをそれぞれ有線接続してください。

iPhoneでのコンピュータ信頼画面

iPhoneでのコンピュータ信頼画面

iPhoneをはじめてAnyTransに接続すると上記のような案内画面が表示されますので、案内通りにiPhoneを操作して接続設定を完了させてください。

USBデバッグの有効化案内画面

USBデバッグの有効化案内画面

AndroidスマホをはじめてAnyTransに接続した際に上記のような案内画面が表示される場合があります。これはAndroidスマホの接続にはUSBデバッグを有効にする設定が必要であるためです。

USBデバックを有効にする設定方法は各機種によって若干異なりますが、基本的には設定画面のデバイス情報などにある「ビルド番号」を7回以上連続タップして「開発者向けオプション」の項目を表示させてから、同項目内にあるUSBデバッグを有効化させるという手順をとります。

今回の作業で使用したAndroidスマホ(P710)はすでにUSBデバッグを有効にしてあったため問題なくAnyTransへの接続が完了しましたが、別のUSBデバッグを有効化していないAndroidスマホ(xiaomi)を接続させたところ上記のような案内画面が表示されました。

Androidスマホを接続後に上記のような案内画面が表示された場合はUSBデバックを有効化する設定をおこなってください。

接続状態の確認画面

接続状態の確認画面

AndroidスマホとiPhoneの接続が完了すると上記のような画面になります。矢印が画像のようにAndroidスマホからiPhoneへ向かうように機種名を選択して調整してください。

この後の作業はすべてAndroidスマホとiPhoneを接続した状態でおこなうことになります。すべての作業が完了するまで接続を取り外さないでください。

接続状態を確認したら次へをクリックします。

Androidスマホのバックアップ設定案内

Androidスマホのバックアップ設定案内

上記のようなAndroidスマホでのバックアップの設定案内が表示されますが、この段階ではすでにバックアップもアカウント移行も完了してAndroidスマホのLINEが操作できなくなっていますので、無視して次へをクリックしてください。

LINEデータバックアップ中の案内画面

LINEデータバックアップ中の案内画面

AndroidスマホからAnyTransへLINEのデータをバックアップ中との案内画面が表示されますので完了するまでしばらく待ちます。

LINE更新の案内画面

LINE更新の案内画面

途中で上記のような案内が表示された場合にはAndroidスマホ画面に表示される「次へ」をタップします。

LINE起動の警告画面

LINE起動の警告画面

また、上記のような案内が表示された場合にもAndroidスマホ画面に表示される「OK」や「アプリを閉じる」をタップします。

バックアップパスワード「1234」の入力画面

バックアップパスワード「1234」の入力画面

上記の案内画面が表示されたらAndroidスマホ側で「1234」と入力後「データをバックアップ」をタップします。

LINEのトーク画面の起動案内

LINEのトーク画面の起動案内

AndroidスマホからAnyTransへLINEデータのバックアップが完了すると上記のような画面が表示されますので、iPhoneでLINEを起動してトーク画面を表示させた状態にします。

iPhone再起動完了の案内

iPhone再起動完了の案内

しばらくするとiPhoneが再起動したのちに上記画面が表示されますので「OK」をクリックします。

iPhoneのパスコード入力案内

iPhoneのパスコード入力案内

上記画面が表示されるのでiPhone側でパスコードを入力します。このパスコードはiPhoneのロック解除用のパスコードになります。

LINEトーク復元作業の完了案内

LINEトーク復元作業の完了案内

しばらく待つと復元完了の画面が表示されて作業が完了となります。実際にiPhoneでLINEを起動させてトーク履歴が復元されていることを確認できれば今回の作業は無事終了となります。

まとめ

iPhoneデータマネージャー「AnyTrans」

iPhoneデータマネージャー「AnyTrans」

今回はAnyTransを使用してAndroidスマホからiPhoneへLINEの全トーク履歴を引き継ぐ方法を紹介しました。

通常のLINE公式のアカウント引き継ぎ方法では、AndroidスマホからiPhoneへの機種変更など異なるOS間でのLINEアカウント引き継ぎの際はGoogleドライブやiCloudを使用しての復元ができないため15日以上前のトーク履歴を引き継ぐことができない仕様となっています。

しかし今回紹介したAnyTransを使用することで、公式の方法ではまだ対応できていない「異なるOS間での全トーク履歴の引き継ぎ」ができることがわかりました。この全トーク履歴を引き継ぐ機能は2023年2月に搭載されたもので比較的新しい機能となっています。

2023年10月現在LINE公式のアカウント引き継ぎ方法では異なるOS間では15日以上前のトーク履歴を引き継ぐことができないことから、このAnyTransの機能はLINE引き継ぎ問題の有用な解決方法になるのではないかと思います。

このLINEトーク履歴引継ぎの機能は製品版のみとなっていますが、公式サイトでは時折期間限定で製品版を割引購入できるキャンペーンが開催されていますので、iPhone購入をご予定の方はぜひiMobie公式ストアをチェックしてみてください。