キングダムの「聖地」最有力候補!中国・咸陽市にある秦国王宮跡地に咸陽博物院が誕生

2024-03-09

2024年1月からいよいよTVアニメ「キングダム」第5シリーズが始まりました。

2019年には実写映画化されるなどキングダムの人気がますます高まっているこの頃ですが、中国ではいまファンにとって気になる計画が進められています。

キングダムの中心舞台とも言える秦国の王宮「咸陽城」がかつてあった中国陝西省の咸陽市で、この咸陽城を国家級博物館「咸陽博物院」として復元する工事が進められていて、間もなく完成する予定となっています。

残念ながら2020年以降は新型コロナウイルスの影響で海外旅行や観光が難しい状況となっていますが、今回はこの咸陽博物院の情報について、実際に現地へ行って見てきた感想とともに紹介したいと思います。

キングダムの舞台・咸陽と聖地巡礼

TVアニメ「キングダム」youtube公式チャンネル

中国の歴史に関する物語や漫画と言えば、三国志や水滸伝などが日本でも以前から有名ですが、近年では原泰久氏の漫画『キングダム』が人気を博しています。

キングダムは、2006年から「週刊ヤングジャンプ」にて連載されていて、漫画だけでなく2012年からはNHK BSプレミアムにてTVアニメ化され、2019年には実写映画化もされました。

数年前にテレビ朝日の「アメトーーク!」でキングダムが紹介されて以来、週刊ヤングジャンプの読者層や中国歴史ファンの層を超えて全国的にキングダム人気が広がりました。

そして、2024年1月からはファン待望のTVアニメ第5シリーズが始まり、ますます人気が高まりそうな流れとなっています。

単行本は2024年2月現在70巻まで発行されていて、私も単行本を読み続けてきたファンの一人です。

そんなキングダムファンの中には、機会があればキングダムの中で描かれた地へ実際に訪れてみたいと思う方も少なくないと思います。いわゆる「聖地巡礼」観光というやつですね。

キングダムに関する有名観光地としては、秦の始皇帝である嬴政のお墓「始皇帝陵」や函谷関の戦いの場であった「函谷関」などがありますが、今回紹介する完成間近の「咸陽博物院」は今後のキングダム観光で人気の観光地になるのではないかと思います。

咸陽博物院完成図

咸陽博物院完成図(出典:人民網

その理由は、この咸陽博物院がなんといっても秦国の王都・咸陽城が実際にあった場所に建設されていて、咸陽城の復元施設ともいえる博物館だからです。

また、施設全体の規模も南北の敷地群を含めると南北に2km以上ある巨大なもので、有名観光地になるべくして作られているといった感じがします。

施設に隣接して建設されている地下鉄の駅は、日本からの直行便もある西安咸陽国際空港と西安市内にある高速鉄道(中国版新幹線)の西安北駅を結ぶ地下鉄「空港城際線」の中間駅で、観光地としてのアクセス性は抜群です

加えて、この咸陽市や隣接する西安市にはキングダムに関係のある観光地が数多くあります。そのため、西安咸陽国際空港から中国に入国して中国屈指の歴史都市でもある西安市にホテルをとり、咸陽博物院を含め各地の観光地を観て回るというのがオススメの観光コースとなります。

咸陽城があった場所

咸陽城があった場所(百度地図をもとに作成)

実は咸陽城には秦の時代の咸陽城と、後の明代初期(14世紀)になってから別の場所に造成された新しい咸陽城のふたつが存在していました。

新しいほうの咸陽城は、秦の時代の咸陽城から10kmほど西に位置する現在の咸陽市の中心部近くにある旧市街地あたりにあったようで、その付近には1962年に明代の文廟を補修利用した咸陽博物館があります。

こちらの咸陽博物館については咸陽市の有名観光地としてネット上でもいくつか紹介記事を見かけるのですが、今回紹介する咸陽博物院の紹介記事はまだ見かけないことから(まだ開館前なので当たり前かもですが)、観光を兼ねて実際に現地へ行って見てきました。

実は私が訪れたのは2019年の夏で、開館時期が近づいたら記事にして紹介しようと思っていたのですが、2020年に入ってすぐに新型コロナウイルスの影響で中国へ旅行ができない状況になってしまいました。

まだ中国へ旅行に行けない状況は続いていますが、4月からTVアニメの新シリーズが始まったこともあり、キングダム観光のお役に立てればと思いご紹介することにしました。

秦の王都・咸陽城と咸陽博物院


キングダム第1シーズン10話「王都突入」より引用
(C)NHK・総合ビジョン・ぴえろ

秦の王都である咸陽城は、現在の中国・陝西省咸陽市渭城区にありました。先に紹介した地図を見るとわかりますが、咸陽城の南側には黄河の支流である渭水(中国語では渭河)が流れており、川のそばにあったことがわかります。

アニメ版キングダムでは山の民とともに戻ってきた信と政が咸陽の城を望む様子が描かれており、咸陽城の手前に川が流れている様子が描かれています。

工事中の咸陽博物院

工事中の咸陽博物院

史実では、政(始皇帝)の死後、楚の国の項羽が咸陽を攻め落とした際に徹底的に咸陽を破壊し、以後同地では都市が再建されることはありませんでした。その後、20世紀に王宮跡が発掘され、現在の博物館としての復元計画につながっていきます。

私が今回建設中の咸陽博物院を訪れた時には建物自体はほぼ完成していて、建物内の整備や敷地内の造成作業が進められていました。

屋根の形など外観は当時の秦国の建物をイメージした感じの作りとなっていますが、現代の博物館なのでガラスやコンクリートなど現代の建築素材を使って建てられていました。

敷地内の整備が続いている様子

敷地内の整備が続いている様子

敷地はまだまだ整備されてなくほぼ工事現場な感じだったため、完成後の風景を想像できるものはまだ見ることができませんでしたが、建物はとても大きく立派な感じでした。

博物院中心区域の完成予想図

博物院中心区域の完成予想図(出典:人民網

完成予想図によると、建物南側には広場や水辺が、北側には公園が整備されるようです。完成が楽しみです。

南側敷地には広大な公園広場が

咸陽博物院の航空図

咸陽博物院の航空図(百度地図をもとに作成)

博物院の建物の南側には空港と駅を結ぶ地下鉄(高架線区間)が通っており、さらにその南側には広大な敷地の「秦漢文明広場」が広がっています。

こちらの広場は訪問した時にはすでに一般開放されていて中に入ることができたので、中に入って少し散策してみました。

広場内の散策路

広場内の散策路

秦漢文明広場は公園のように散策路やベンチなどが整備されていて、とても気持ちよく歩ける憩いの場のような環境でした。

トイレと売店

トイレと売店

トイレの化粧台

トイレの化粧台

また、トイレや売店などの建物も完成して間もないという感じで真新しかったです。売店のほうはまだ営業していませんでしたが、トイレは使うことができて中もとてもきれいでした。

広場から博物館を眺める

広場から博物館を眺める

遠くに見える博物館の建物

遠くに見える博物館の建物

広場の中央付近にある噴水広場から北側に見える博物院を眺めると、建物の大きさが更に実感できました。

現在立っている場所がまさに2200年前に秦の王都があった場所で、当時の人もこんな感じで都の市中から王宮の建物を見上げていたのかなと思うと、復元とは言えここがキングダムの現場なんだなーと妙に実感がわきした。

当時の王宮は写真に写っている博物館の建物よりもさらに奥(北側)の一段高台のところにあったようですので、2200年前にこんな広大な都市を築いていた中国の歴史の大きさを改めて感じました。

咸陽博物院完成全体図

咸陽博物院完成全体図(出典:人民網

その博物院の建物北側の敷地にも更に公園などの造成が進められる予定とのことで、敷地の広さにただただ驚きです。

ちなみに私が訪れた当時は、その北側の敷地にはいくつかの集落があって人がまだ住んでいる様子で、さらに次に紹介する秦咸陽宮遺址博物館もありました。これらの建物も観光用に造設される中で姿が変わっていくのでしょうか。

秦咸陽宮遺址博物館

秦咸陽宮遺跡博物館

秦咸陽宮遺跡博物館

咸陽博物院の北側には1995年に設置された秦咸陽宮遺址博物館があり、このあたり一帯にある秦咸陽城の王宮遺跡の発掘資料の紹介や展示物などが陳列されています。見学料は無料ですが、パスポートなど身分証明書の提示が必要です。

ここ数年、中国では博物館や交通機関など多くの施設で身分証明書の提示やネット予約が必要となっています。このように旅行中にパスポートを使う機会が増えているため、最近ではパスポートカバーが人気となっています。

中国では物でもお金でも雑に扱う店員や係員がとても多いので、海外で自分の身分を証明する大切なパスポートを雑な扱いから極力守ることができるパスポートカバーは本当に役に立ちます

中国に行かれる際にはさっと取り出せるデザインのパスポートカバーのご使用がおすすめです。

博物館の中庭

博物館の中庭

こちらの博物館はこじんまりとした作りで、現地の考古研究施設に展示室が設置してあるといった感じです。訪れた時には係員のおじさん以外はお客は誰もいなく、ゆっくりと観覧することができました。

展示室の様子

展示室の様子

遺跡から発掘された遺物のほかに当時の秦国周辺の地勢を紹介したジオラマなどが展示されていました。

咸陽王宮第一号遺跡の模型

咸陽王宮第一号遺跡の模型

秦咸陽城遺跡

秦咸陽城遺跡

博物館の名前もある咸陽王宮遺址の模型も展示されています。本物はこの博物館のそばの地面の下にあり、敷地を散策することができます。

博物館前の道路

博物館前の道路

この博物館の周辺にはお店やバス停などは何もないため、訪れる際には西安市内からタクシーを利用しましたが帰りは大通りがある建設中の咸陽博物院のあたりまで歩いてみました。

写真のような少し下り坂になっている一本道を1kmほど歩きました。影になるような街路樹などもほとんどなかったのですが、8月としては気温が涼しめの日で風もあり、心地良い散歩ができました。

キングダム 聖地巡礼観光の中心として


Amazonプライムビデオ キングダム第3シーズン

以上、建設中の咸陽博物院を訪問したときの様子について紹介しました。

日本からの直行便もある咸陽西安空港から地下鉄で5駅、北京や上海からの高速鉄道が停車する西安北駅からも地下鉄で3駅で移動できるという好条件の観光立地にありますので、博物館が開館した際には国内外から多くの観光客が訪れる人気観光地になると思います。

キングダムの新しいTVシリーズが始まりましたので、この咸陽博物院が聖地巡礼の中心観光地となって今後訪れる人も増えていくと思います。なんといってもキングダムの中心舞台である王都・咸陽ですし、成田や関空など日本からの直行便もありますしね。

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空港から近いので旅行初日でも帰国前の最終日でも観光しやすいですし、近くの大都市・西安市内のホテルに滞在して兵馬俑や函谷関などのキングダム関連の名所と共に予定を立てて効率よく回るというような旅行プランも立てやすいです。

ちなみに海外旅行の際には海外旅行保険付きのクレジットカードを持っておくと便利です。年会費無料のカードでも複数枚持つことで保険料を加算できるので海外旅行での万一の際にも対応できて安心ですし、有償契約の海外旅行保険との保険料の合算ができるので、掛け金を安く抑えることができてお得です。

年会費無料のクレジットカードのお得な海外保険の利用方法を以下の記事で紹介していますので、これからキングダム旅行に行く方にご参照いただければと思います。

私も新型コロナウイルスの流行が終息して開館したらすぐにまた行ってみたいと思っているので、再訪した際にはまたご報告したいと思います。以上、もうすぐ新しくできる咸陽博物院の紹介でした。